ユカリ(17)

ミケです。

あれから半月も経たないうちにユカリから電話が掛かってきた。

「今日暇?」

恋人も遊び相手もいない孤独なサラリーマンである。

暇だけど・・・

「じゃ会ってよ」

店に行く金なんかないよ・・

「ううん、外で会おうって言ってんの。お金はこないだ借りちゃったから少しでいいよ」

結局取るんかい!

思わずツッコミそうになる。

いくら?

取り敢えず聞いてみる。

「ご飯食べて、ホテル行って、1万円」

・・・安い、のか?

確かに貸付がなかったらこれほど安いものはない。

だが・・・

「ご飯はさ、安いところでいいから」

畳み掛けるようにしゃべる。

としても飯代とホテル代で1万、合計2万だよなぁ・・

まあいいか。

どうせ店に行ったら倍以上掛かるんだし。

などとユカリを待たせて考える。

いいよ。

「やった!じゃぁまた仕事終わったら電話して。お仕事がんばってね、チュッ」

・・・調子のいい女だ( ´Д`)=3

てか、こんなキャラだったか?

まぁいい。

仕事が終わり、西日暮里で待ち合わせることにした。

何を食ったかなんて覚えちゃいない。

だが、入ったホテルは覚えている。

プレステージ。

あの鶯谷の地獄のようなホテルに比べたら、正に天国のように清潔で今風な造りだ。

特別凝ったデザインでもないが、休憩で入るには十分であり、お手頃な値段だ。

※20年以上前の話です。

ここに来て、漸くユカリが自分のことを喋りだした。

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投稿者: mikenojo

♂貧乏サラリーマン。 身体障がい者。