ミケです。
あれは夏の―。
あの日は休日で、寝汗をシャワーで洗い流して、夕方の登楼だった。
送迎車を待つ間に吹き出た汗が待合室の冷房で瞬く間に引いていく。
名を呼ばれ階段の下まで案内されると、ワンピースを着た女性が立ち膝で待っていた。
ユカリは道産子らしく肌のキメが細かく色白で、瞳も大きく、とてもきれいな女性だった。
もうそれで十分だった。
一目で気に入り、あの時のような過ちは絶対にしないよう気持ちを引き締めた。
「はじめまして。よろしくお願いします」
あ、あぁよろしくね。
というと、ユカリは立って左手を差しのべる。
私は自然にその手を取って部屋までエスコートされた。
ゆかりちゃん、とってもきれいだね。緊張してしまう・・・
嘘ではなかった。
頭も真っ白になっていたし、喉もカラカラで声もうわずっていた。
動悸が止まらない。
「え?ほんとに緊張してます?こっちも緊張しちゃいますよ。ウフフ」
顔が熱くなる。
「座ってください」
と微笑みながらベッドの前に座り、ベッドの緣をぽんぽんと軽く叩いた。
誘われるまま腰掛けると、ユカリは慣れた手つきで私のシャツのボタンを外していった。
